起業の為の資金調達方法
起業における資金調達の方法は1つではありません。
その1 : 出資
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- 自己資金
- 資金調達を考える前に、まず起業家の個人資産である自己資金を資本として差し入れ、事業をはじめるのが基本だ。
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- 社員持株会
- 社員持株会は、社員が設立する会社の資本金を出資しあう方法だ。規約が必須であり、従業員持株会の組織・理事が必要となる。
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- 他企業からの出資受入
- 株式を他企業に譲渡し出資を受け入れる。株式の譲渡比率が50%を超えると、事実上経営権を譲渡した状態になる。出資者と要交渉。このような資金調達の方法をとる場合、企業や業界関係者との繋がりも重要となってくる。イベントなどに顔を出して、関係を作るというのも手だろう。
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- ベンチャーキャピタル
- 資本と引き換えにVC(ベンチャーキャピタル)の出資を受け入れる。上場を狙うような有望な会社に限られる方法だ。
VCにもよるが、ベンチャー企業の事情を考慮した出資比率・出資方法を採るケースが多い。株の買い戻し条項など、投資契約の各条項には留意したい。
その2 : 個人借入
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- 個人での借り入れ(消費者金融など)
- もともと事業資金として想定していない融資の事業への流用。金融機関によって利息は異なるが、総じて利息が高いため、起業のファイナンス方法としてはできれば避けたい。
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- 親族・知人からの借入
- 起業家の親族・知人からの資金を借り入れる方法。
その3 : 融資
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- 銀行
- 銀行から資金を借入れる。信用の問題から設立直後の会社には、大手銀行はまず融資を実行しない。知名度は高いが、立ち上げ期には向かない資金調達方法だと言える。
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- 信用金庫
- 信用金庫からの借入れ。地域の信用金庫により条件は変わるが、総じて銀行より融資のハードルは低い。一定期間後にトライする価値はあるが、立ち上げ期の次のステージで検討すべきであり、まずは次項で紹介する「制度融資」を利用する方が現実的である。信用金庫の設立経緯から、特に地域密着企業が活用したい資金調達方法である。
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- 他企業からの出資受入
- 株式を他企業に譲渡し出資を受け入れる。株式の譲渡比率が50%を超えると、事実上経営権を譲渡した状態になる。出資者と要交渉。このような資金調達の方法をとる場合、企業や業界関係者との繋がりも重要となってくる。イベントなどに顔を出して、関係を作るというのも手だろう。
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- 制度融資
- 制度融資による資金調達では、民間金融機関の貸し付けに、信用保証協会が信用保証を付けることで創業者は借り入れしやすくなっている。行政が信用保証の斡旋をしてくれる。地域によっては、行政が支払利息や保証料を一部負担(利子補給)してくれるところもある。
上限3,000万円、金利2.1%~2.7%(利子補給を加味するとさらに下がる可能性がある)、運転資金ならば7年以内、設備資金ならば10年以内が目安である。借入上限金額は事業計画、自己資金などを勘案して決まる。
全国に52の信用保証協会(各都道府県に47ある他、横浜、川崎、名古屋、岐阜、大阪の5市にある)があるので、制度融資を検討する場合は問い合わせてみるとよいだろう。また、創業しようと考えた地域の行政にはたいてい窓口相談制度があり、親身に対応してくれる。行政のほか、地元の商工会議所にも確認してみよう。
なお信用保証協会では、相談業務、公開講座、創業スクールなどが行われていることもあるので、ぜひ活用したい。
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- 日本政策金融公庫の公庫融資
- 日本政策金融公庫は国民生活事業と中小企業事業があるが、創業希望者は国民生活事業の「新創業融資制度」に申し込みできる。別途、「新規開業資金」制度もあるが、ハードルが高いのでここでは「新創業融資制度」について取り上げる。
上限1,000万円、金利1.25%~3.00%、原則設備資金ならば15年以内、運転資金ならば5年以内が目安である。借入上限金額は事業計画、自己資金などを勘案して決まる。
日本政策金融公庫各支店の国民生活事業に申し込む。必要書類はHPからダウンロードできるので、ぜひチェックしてみよう。
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- マル経融資
- マル経融資は、商工会議所の推薦により受けられる融資。1年以上の事業実績が必要。金利が低いため、借り換えも有効。
上限金額2,000万円、金利1.45%(※2014年東京商工会マル経融資の場合)で、通常受けられる融資の中で最も低い水準の金利である。制度融資や公庫融資で資金調達し起業した場合、1年後にマル経融資の審査を受け、借り換えができるように計画するとよいだろう。
その4 : 補助金・助成金
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- 創業補助金
- 経済産業省系の補助金で、正式名は「創業促進補助金」。金額上限200万円、補助率2/3。申請には認定支援機関の確認書が必要である。
認定支援機関とは、中小企業経営力強化支援法に基づき、中小企業支援で高い専門性を持つと認定された支援機関のこと。主に金融機関、税理士、中小企業診断士などの士業、並びに士業の団体の多くが認定されている(士業=認定支援機関ではないので注意)。
中小企業基盤整備機構のHPの「サイト内検索」で、「創業補助金」を検索して、公募があるかをチェックする。士業では、中小企業診断士、税理士が明るい分野なので、知り合いがいれば、公募があったときに教えてもらえるように頼んでおくと良いだろう。
公募中であれば、不明な点は各都道府県の事務局に問い合わせすれば良い。事務局がどこかは中小機構のHPで分かる。
認定支援機関は申請書の作成時点から、補助期間中~終了後もサポートしてくれるので、認定支援機関も積極的に活用しよう。認定支援機関の一覧はネットで確認できるが、周りの先輩起業家などから紹介を受けると良いだろう。またネット上の補助金採択者一覧には関与した認定支援機関名も掲載されている。
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- 再就職手当
- 再就職手当は、雇用保険の受給資格者(前職を離職したサラリーマンなど)が創業した場合にもらえる手当である。この再就職には、創業も含まれるのだ。会社を辞めて失業状態の人が創業を決意する場合、都道府県労働局、公共職業安定所(ハローワーク)と何らかの接点はあるはずなので、問い合わせてみるとよいだろう。
また、厚生労働省系の補助金であり、社会保険労務士の専門分野なので、身近な社労士に問い合わせてみるのもよいだろう。
開業に使える補助金と助成金(一例)
創業促進補助金 | 起業や創業を行う方に対して「必要な経費の一部」を補助する制度。補助率は3分の2まで、100万円〜200万円の範囲で資金が受けられる。申込は、各都道府県の相談窓口(創業・第二創業促進補助金事務局)で受け付けている。 |
第二創業促進補助金 | 事業継承を行ったあと、新しい事業や新分野にチャレンジされる事業者に「必要な経費の一部」を補助する制度。補助率は3分の2まで、100万円〜200万円の範囲で資金が受けられる。また、既存事業を廃止する場合は、最高800万円の廃止費用(補助金)が受けられる。申請は、各都道府県の相談窓口(創業・第二創業促進補助金事務局)で行う。 |
雇用保険受給資格者創業支援助成金 | 雇用保険の受給資格者が創業し、雇用者となった場合、事業に必要な費用を最大150万円まで助成し、失業者の自立を支援している。申請は、最寄りのハローワーク(公共職業安定所)で行う。 |
小規模事業者持続化補助金 | 小売業やサービス業(従業員5名以下)、製造業の事業者に対し、補助率3分の2まで「上限50万円」の助成を行う。受け取った資金は、広報費や商品開発費、設備投資にも使える。本補助金は、日本商工会議所、全国商工会連合会で申込できる。 |
新・ものづくり補助金 | 革新的な取り組みを行う事業者に対し助成を行う制度。飲食店の場合は、地産地消や販路の拡大、地域活性化等をテーマに申請できる。アイデア性やオリジナリティが求められるので、申請するにあたってコンセプトを練る必要がある(※ 事業計画は、認定支援機関に確認してもらう必要あり)。申請は中小企業庁が受けている。 |
分煙環境整備補助金制度 | 店内の分煙化に必要な資金を補助する制度。補助率5分の4まで、最大300万円の助成が受けられる。申込は、東京都産業労働局観光部で手続きを行う。 |
港区新規開業賃料補助制度(東京都) | 月額5万円(賃料の3分の1)を助成し、事業者の家賃負担を軽減する制度。対象となる経費は、店舗だけで無く事務所の家賃にも適用される。 |
新規開業家賃補助事業(松本市) | 1年目は月額8万円(賃料の10分の3)2年目は月額6万円(賃料の10分の2)を上限に助成し、事業者の家賃負担を軽減する制度。対象は松本市に居住していることが求められるが、助成金は店舗以外にも、事務所費用にも適用される。 |
中小企業雇用創出人材確保助成金(労働省) | 雇い入れる人材(雇用保険受給者)一人あたり「平均賃金の4分の1」までを助成する制度。最大8名まで申請でき、新規創業者の人材確保に活用できる。 |
中小企業雇用創出管理助成金(労働省) | 新規創業者の雇用管理費用を助成する制度。雇用管理改善事業に要した費用の3分の1(最高100万円)の助成が受けられる。ただし、雇用した従業員は雇用保険に加入しており、経営革新に30万円以上の費用を投じた場合のみ本助成金が適用となる。 |
中小企業雇用創出等能力開発給付金(労働省) | 従業員の教育訓練に要した費用の半分、もしくは教育期間中の賃金2分の1を助成する制度。 |
ベンチャー予備軍 発掘・支援事業(商工会議所) | 新規事業の開拓、地域においてベンチャー企業を立ち上げる創業者、団体に対して助成を行う制度。助成内容や資金申込については、日本商工会議所・各県の商工会議所連合会で確認のこと。 |
開業に使える融資制度
新規開業資金 | 事業の新規立ち上げ、もしくは事業開始7年以内に利用できる融資制度で、最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)の融資が受けられる。 |
女性、若者、シニア起業家支援資金 | 女性や若者、シニア世代が利用できる融資制度で、最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)の融資が受けられる。 |
新事業活動促進資金 | 経営の拡大や、第二創業に利用できる融資制度。最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)の融資が受けられる。 |
企業活力強化資金 | 店舗の新築やリフォーム設備投資に利用できる融資制度で、最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)の融資が受けられる。 |
地域活性化・雇用促進資金 | 地方での雇用創出、地域の事業活性化に利用できる融資制度。最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)まで対応。 |